プリンセスがハートの風船で空を飛ぶ、可愛らしい表紙が目に留まる一冊です。
内容を簡潔にまとめると、「もっともわかりやすい女性向け自己愛の入門書」と言ったところでしょうか。
私が本書を手に取ったのは、24、5歳の頃でした。
仕事も私生活もうまくいかず、特に人間関係がボロボロで深く落ち込んでいたときのことです。
もう、なんでもいいから楽になりたい……。
そう、藁をも掴む思いで生まれて初めて手を出した自己啓発本が、本書でした。
そして本書は、私の人生に本当に大きな影響を与えてくれたのです。
非常に思い入れの深い本なので、気合いを入れてご紹介したいと思います。

Contents
著者・上原愛加さんとは?
本書のカバーには、著者である上原愛加さんの優しげな顔写真とともに、簡単な経歴が書かれています。
在学中につづったエッセイが共感を呼び、大学の枠を越えてファンクラブができる。
卒業後は企業の会長秘書を勤める傍ら、自らの教えを広める学校を設立し、プリンセスレッスンを行う。
現在はエッセイストとして活動中。
私が本書を購入した当時はすでに学校は閉校していたようですが、最近また別の形で復活したとも聞いています。
ご本人は現在ラインブログで活動を続けており、生徒さんから受け取った贈り物などが載せられていました。
愛加さんのお顔ですが、目を見張るような美人というより、ほんわかした雰囲気が伝わってくるような優しげなお顔でいらっしゃいます。
その雰囲気はまさに本書の教えであるプリンセスレッスンにぴったりで、本書の中にある生徒さんの体験談より、愛加さんの顔写真の方がよっぽど説得力があるかもしれません。
以下に内容をまとめていきます。
自己啓発本のミルククレープ包み ~イチゴのムースを添えて~
本書は「引き寄せの法則」に代表される自己啓発の方法を、「魔法」という言葉を用いてメルヘンチックかつ女の子らしくコーティングしています。
大きな目次は以下のとおりになっています。
- ”プリンセスの器”の満たし方
- ”プリンセスの種”の育て方
- ”プリンセスのお花”の咲かせ方
- ときめきの風に運ばれて、ここから、すべてがうまくいく!
見出しだけ見るとなんのことだかわかりませんが、各章にはかなり具体的な方法が書かれています。
プリンセスレッスンのやり方 ~プリンセスの器の満たし方~
いわゆる自己愛のやり方です。
プリンセスの器は、自分自身がいい気分になると満たされていきます。
可愛い服を買ったり、おいしいものを食べたり、いい香りの入浴剤を入れてお風呂に入ったり……。
お金がもったいないからダメ!とか、太っちゃうからダメ!と言って、自分に対して厳しく当たるのをやめにするのです。
自分を甘やかしているだけだと言われてしまいそうですが、むしろ無意識のうちに自分に厳しくあたりすぎている女性は非常に多いです。
この考え方については、本書の例が非常にわかりやすいので引用しておきます。
それは、ある日、友人が泊まりに来たときのことでした。
「パジャマを貸して」と言われ、私は困ってしまいました。友人に貸せるパジャマがなかったのです。
あったのは、私がいつも着て眠っているジャージだけ。それは、もう何年も前のもので、所々毛羽立っていて、絶対に、大切な友人には貸すことができないようなものでした。
(中略)
大切な友人には貸せないのに、私は、平気で毎日そのジャージで眠っている!
そう、私は、大切な友人にできないことを、自分自身には平気でしていたのです!
この例にハッとさせられた人は多いのではないでしょうか。
私もそれまで、「自分を大事に」と言われてもピンと来ていなかったのですが、この例を読んで気がついたのです。
本書における自己愛の方法は、何かを選択する際に「大切な人に選ぶほう」を基準とするやり方です。
自己愛の低い人は、お金をけちりたい、人目が気になる等の理由で、ついグレードの低いものを選んでしまいがちになります。
それを防ぐための基準が「大切な人に選ぶほう」。
これなら自己愛が低い人でもわかりやすいですね。
ここで勘違いしないべきなのは、「大切な人」を一人想定した上で、その人の好みに合わせるというものではないということです。
バナナクレープとエクレアのどちらを買うのか選ぶとき、
「私はバナナが苦手だけど、大切なあの人はバナナが好きだから、バナナクレープにしよう…」
と考えるのは、自己愛でも何でもないただの勘違いです。
あくまでも、大切な人の奥にいる自分自身を愛するためのメソッドであることを忘れないようにしましょう。
プリンセスレッスンのやり方 ~プリンセスの種の育て方~
前章で学んだ自己愛を続けていく方法が書かれています。
プリンセスの種は”日光”やお水”で成長していくもの。
本書は”日光”として、「プリンセスダイアリー」という日記を書くことを勧めています。
その日にあった良いことをなんでもいいから書いていく、前向きになるための基本メソッドですね。
しかし、毎日平凡に生きていると、良いことなんて一つもないと考えてしまう時もあると思います。
そんなときは「いつもどおり」や「ふつう」が良いことの宝庫だと考えるのが本書のやり方。
日常の中にある何気ない幸せに目を向けることで、「当たり前」にあぐらをかかず何事にも感謝できる謙虚さを養うことができるのです。
また”お水”として「周りの人を思いやること」を挙げています。
人に何かをしてもらったときは心から感謝を、不快な思いをしたときは「それがその人の精一杯だったのだ」と考え、寛大に許す心を持つことで、自分をまた好きになることができるのです。
他人を許すことがなぜ自己愛に繋がるのか?と、私も当初は疑問に思いました。
しかし、実際に本に倣って人を心の中で許したところ、「人を許せる私って偉い!」と、あっさり(笑)自分を好きになることができたのです。
皆さんが私のように単純だと思っているわけではありませんが、疑っている人ほど試してみてほしいメソッドです。
プリンセスレッスンのやり方 ~プリンセスのお花の咲かせ方~
これはいわゆる「引き寄せの法則」です。
”プリンセスのお花”は自分の願いや希望が叶う姿を指すのですが、本書はその方法として「プリンセスストーリー」を使っています。
自分がなりたい未来の姿、夢を紙に書き、見えるところに貼っておく…ということで、別の自己啓発本で「引き寄せの法則」を学んだ方にはちょっっと驚きがないかもしれません。
ストーリーを書くにあたり大切なことは、
- 自分がときめく内容を書くこと
- 願いが叶ったと断定して書くこと
- 最後に「ありがとう!」で締めくくること
以上の3点です。
まだ叶っていないことだとしても、実際にそのとおりの姿になったと思い込むことで、不思議と未来がそのとおりに運んでいくのです。
ときめきの風に運ばれて、ここから、すべてがうまくいく!
上原愛加さん自身がプリンセスレッスンを実施した結果、本書が出版に至るまでの経緯が書かれています。
これについては正直すごいの一言で、こんなミラクルが起きるのであれば、ちょっとくらいやってみようかなと思ってしまう説得力があります。
なんといっても、実際に本書が出版されているのですから。
信じる信じないは別にして、つい心を動かされてしまう、夢のあふれたシンデレラストーリーでした。
ピンク色のプリンセスにときめかない私には向いてない?
ファンタジーやメルヘンが好きではない人でも楽しめる本です。
その理由は、本書がメルヘン部分を除いても十分具体的でわかりやすい内容だからです。
確かに本書の中では、「ピンク色が望ましいです」や「ふわふわしたものがいいです」等、ステレオタイプの女性性を重視した記載があります。
しかし、本書の内容を一から十まで忠実に実施しなければ、プリンセスレッスンは成り立たないわけではありません。
プリンセスレッスンは自己愛の教科書。
自分の気分を良い状態に保つことが目的であり、型にはまった女性らしさをなぞるためのものではないのです。
自分が好ましいと思えるのであれば、ブルーのポーチでもイエローのハンカチでももちろんOK。
実際、シンデレラのドレスはブルーホワイトですし、美女と野獣のベルのドレスはイエローです。
すべてのプリンセスが絶対にピンクを着なければならないというわけではありません。
と思われるのであれば、もう一度、「大好きな人に選ぶほう」と唱えてみましょう。
自分が本当に愛するべきは誰なのか?
大切にするべきは誰の声なのか?
今一度考え直せば、本当に自分の好きな色を選ぶことができるはずです。
自分に合った大きさを選ぼう
プリンセスレッスンは、通常版、文庫版、Kindle版の3種類があります。
通常版はパッケージデザインが可愛らしく、大きさもB5サイズより少し大きいくらいなので、プリンセスレッスンに形から入っていきたい人に向いています。
肌身離さず持ち運びたいのであれば、文庫版かKindle版がおすすめです。
文庫版は表紙がシックでサイズも小さいため、「お守り」として鞄に忍ばせやすいです。
Kindle版は全編画像表示なので、上原愛加さんの可愛い手書きの挿絵もきちんと見ることができます。
端末の有無や金額と相談して、自分にぴったりの本を手に入れましょう。
【まとめ】幸せになりたい女性のバイブルとなる一冊
自分を大事にするって何かわからない……。
なんでもいいから幸福になりたい……。
そんな鬱々とした女性にこそ、読んでいただきたい一冊です。
普段いかに自分を大事にしていないかを実感したら、本書に倣って自分を大切にするためのレッスン「プリンセスレッスン」を始めましょう。
すべての女性が自分にも他人にも優しくできるようになれば、世界はきっと明るいものになります。
今なら安値で購入できるので、是非!